
2026年2月17日(火)、首長TOP LIVEを開催いたしました。
今回は、『手袋のまち東かがわ市が仕掛ける共創と発信』をテーマに、香川県東かがわ市 上村一郎市長にご登壇いただきました。
TOP LIVE概要
香川県東かがわ市は、国産手袋全国シェア9割の「日本一の手袋のまち」として、手袋と培ってきた縫製技術の新たな価値創出と発信に挑戦しています。2025年、大阪・関西万博に2度出展し、市内事業者と作り上げたうどん手袋の取組や、自治体間連携によるLOCAL JAPAN展での共創展示などにより魅力を国内外に発信しました。また、今年初参加となる瀬戸内国際芸術祭では、芸術と地場産業である手袋を掛け合わせたアート作品を制作・展示しました。作品も地域住民の皆さんと一緒に作り上げるなど地域を巻き込んだ取組となりました。官民が一体となったこれらの挑戦を、万博・瀬戸芸のレガシーとして次へ繋げていきます。
(香川県東かがわ市様のコメントを引用)

スライド資料抜粋1

スライド資料抜粋2

スライド資料抜粋3
TOP LIVE NOTE
【手袋】
東かがわ市は、明治時代に手袋製造所が設立されて以来、多くの人の努力により、国内手袋産業の世界でも類を見ない一大拠点となっている。
東かがわ市及びその周辺には、多数の手袋メーカーがあり、国内産手袋の国内シェアの9割超が東かがわ市周辺で作られている。約140年の伝統と築き上げた技術により生み出された手袋は高品質であるため、様々なブランドからも数多くの製造依頼があり、ファッション・防寒・スポーツ用手袋など様々な手袋を製造している。
【縫製技術のユニークなPR・話題作り】
大阪・関西万博には2回参加。
1回目は香川県催事に香川県と香川県内8市9町が万博会場内でステージ出演や特産品展示を実施。
東かがわ市は、万博出展をきっかけに「うどん手袋」を製作し展示した。手袋の縫製技術を活かして製作した「讃岐うどん」は、うどんの部分は、手袋の指部分を極限まで細くして、角ばらせてうどんの麺を作ったり、手袋の内側にあるふわふわしているファーを黄色い衣に見立てて、エビ天を作成。エビのしっぽはレザーでできている。
「うどん手袋」は、香川県の「讃岐うどん」を手袋の縫製技術で作ったとメディアも報道しやすく、来場者にも興味をもってもらうきっかけとなり注目と興味を多く集めた。
【共創】
大阪・関西万博2回目は万博首長連合主催の「LOCAL JAPAN展」で、大阪府岸和田市、大阪府貝塚市、高知県須崎市と伝統工芸をテーマに共創し、東かがわ市は「手袋」、岸和田市は「桐箪笥」、貝塚市は「つげ櫛」、須崎市は「竹細工」で出展。万博会場内にて期間中約45,500人の来場者へ展示・職人による実演を披露することで、伝統工芸品における職人の技術を発信した。
4市は「LOCAL JAPAN展」での共同出展のために令和6年より協定を結んでいたが、万博出展後も継続した連携を行っていくため、令和7年9月30日に広域連携連絡会を発足。万博レガシーとして相互での継続した情報発信やイベント出展などを予定している。
また、令和7年10月1日には、貝塚市との連携協定を締結。交流をさらに推進し、両市の特産品について相互の地域から広く発信していくこととしている。
令和7年3月2日の「第23回引田ひなまつり」では、会場内に3市を招いて、つげ櫛仕上げ体験・工芸品の展示、4市でのクイズラリーと万博オリジナルノベルティプレゼントなどを実施。
瀬戸内国際芸術祭2025
東かがわ市は「産業」をテーマに市内における醤油の醸造業やハマチの養殖をはじめとした漁業、そして手袋縫製業の産業を海と産業の歴史というところを紐解きながらアート作品を作り、街中でのアートイベント、「瀬戸内国際芸術祭2025」に参加した。
工夫した点としては、市民や市外の方、国外の方と巨大な手袋を作成することで市民自身を祭り事に参画させた。市民も製作に携わったことで我が事として捉える市民の「自分ごと化」の醸成を図った。
また、展示場の導線に手袋の歴史や販売所を設けて、手袋の商売に繋げた。
屋内の展示物は基本、会期終了後は解体することが多いが、展示場、販売所をそのまま継続。
以後も新たなグッズも販売して産業の注目に繋げている。
作品の1つである「KASAYA ソーシャル」は建物自体がアート作品であるため、講演会やライブなどのイベントスペースとして活用ができる発展性の高いものとなっている。
コメント
○他の自治体との連携をどう取るか
▶少なくとも4市とは知り合ってからまだ1年ほどで、本格的に一緒に活動し始めてからも半年ほどの関係です。ですので、連携はこれから深めていく段階だと思っています。答えとしてはシンプルですが、やはり「いかに単純接触の機会を増やすか」が大事だと考えています。
首長同士はもちろん、職員同士や、場合によっては民間の方同士でも交流を増やすことで、新しいビジネスや政策が生まれる可能性があると思います。まずは私自身も他の産地に伺ったことがないので足を運ぶことから始めて、交流の機会を増やしていきたいです。
○行政と民間の分担と共創の話があったが、一緒にやっていく流れの作り方を教えていただきたい
▶万博の場合は、皆の前で「一緒にやりましょう!」とはっきり宣言することが大きなきっかけになりました。手袋業界の総会の場で「今年の春から夏にかけて、万博があります。東かがわ市は2回出展しますが、どちらも手袋一本で行くことに決めました。ご協力何卒よろしくお願いします。」と総会の挨拶で方針を伝えたところ、戸惑いの空気もありましたが、大きな場でしっかりと意思表示することで、行政と民間が一緒に動き出す流れを作るきっかけになったのではと思います。
レポートを書いてみての感想
地域における産業や技術を伝えるということは、非常に難しい。
今回の「讃岐うどんを縫製技術で作製する」という事例のように、地域産業に注目を集めるためには、分かりやすい題材を用いて導入し、説明していく事で聞き手の興味を引き、話を聞いてみたいと思わせることが大切だと感じた。このように、聞く人のハードルを下げる工夫が、情報発信のうえで重要であることを示している。また、技術を活かして業界を超えて他分野で発信する事など、枠にとらわれない活動も重要であると感じた。
首長TOP LIVEへの積極的なご参加とご質問をお寄せいただき、誠に有難うございました。
日本首長連合は、今後も様々なテーマで、有識者や最先端な企業等と連携し、事例やナレッジ共有を促進してまいります。次回の首長TOP LIVE、企業登壇の地域共創セミナーについても各種進めておりますので、ぜひご参加いただけますと幸いです。
今後の回で聴きたいテーマ、わがまちのプロジェクト共有、連携呼び掛けをされたい、などなど、お気軽にお問合せいただけたらと存じます。